大手半導体メーカーの試作部門で派遣として働いていた時に感じたことを書きたいと思います。
そこで働く正社員の多くは大学・大学院卒で、大学で講師を務めたり論文を書いたりするような高い専門性を持った方々でした。
しかし、意外にもマクロなどのプログラミングスキルを持つ人は多くありませんでした。
その理由はExcelマクロやPythonの教育を学ぶ機会が少ない、人手不足で手が回らない。データ処理は自分でを行うもの。そんな様子でした。
専門性は高い
新入社員のケース
ある日、別の部門から相談がありました。
「今年入った新入社員が、測定から上がってきたCSVデータを朝から8時間かけて手作業でまとめている。自動化のためにExcelマクロを教えてあげてほしい」という内容でした。
測定データは、試作で行った数多くの条件出しの製品分があり、多いときには数百ファイルに及びます。
それぞれのCSVから必要な値だけを1件ずつ抜き取り、まとめていく必要があり、列構成も微妙に違うため単純なコピペでは済みません。
この作業をすべて手作業で行うとなると、8時間かかっても終わらないこともあり、ミスのチェックにもさらに時間が必要になります。
専門性の高い仕事をするために入社したはずの新入社員が、大量のCSVデータをコピペでまとめていると聞き、私はとても驚きました。
現状のデータ処理方法
詳しくは聞きませんでしたが、現場では手作業(コピペ)か、個人が作成したExcelマクロを使って処理しているようでした。
しかし、この「個人マクロ」が曲者で、同じ装置のデータでも人によって欲しい項目が違い、出力形式もバラバラ。
そのため、同じ処理をするマクロが個人ごとに乱立している状態でした。
自分に合うマクロがない人は、何時間もかけてコピペ作業を繰り返すしかありません。
本来ならマクロを学んでスキルアップしたいところですが、現場にはそうした教育の機会もなく、困っている人を何度も見かけました。
試作部門にはマクロでデータ処理できる人材が不足している
正社員の中にもPythonやExcelマクロができる人はいますが、自分の業務で手一杯で、他人のマクロを作る余裕はないのが現状です。
多くの人は「自分のために作ったマクロ」を使っているだけで、部門全体の効率化にはつながっていません。
試作では条件出しのために大量のデータが出力されます。
それを何時間もかけて手作業でまとめている現場は、実際かなり多いと感じました。
マクロ作成を外注(他部門)に依頼する場合
改善案として、生産技術のような部門にマクロ作成を依頼する方法もあります。
しかし、依頼すれば費用が発生します。
また、最初の仕様を詰めるのに時間がかかるうえ、完成後の細かな修正も依頼しづらく、すぐに対応してもらえないこともあります。
その結果、必要な修正が滞り、現場の業務が止まってしまうという問題も発生します。
現場の声の一例
「とにかくデータをまとめるのが大変。
マクロを作ってほしいけれど、入力データと出力データを渡して、とりあえず形にしてもらって、細かい修正は後からお願いしたい。
そんな人が一人いてくれたら助かるのに。」
現場では、こうした声をよく耳にしました。
